
下肢静脈瘤とは?
下肢静脈瘤とは、足の静脈の弁が壊れる事で血液が血管内に滞留して膨らみ、コブのようになる病気です。
ふくらはぎの静脈がボコボコと膨らみ、見た目で下肢静脈瘤と判断できます。また、細かい血管が浮き出てくるような種類の静脈瘤もあります。
痛みを伴わずそのままにされている方も居られますが、時間と共に進行していく病気ですので、注意が必要です。


経験豊富な当院の医師が下肢静脈瘤を最新レーザーで治療します。
こんな症状があったら「下肢静脈瘤」の可能性があります。
- 1日8時間以上の立ち仕事である
- 足がだるい・重い・むくむ・つる
- 朝よりも夕方の方が足がつらい
- 血管が浮き出て見える・ボコボコ膨らんでいる
- 膨らんでいた部位が赤く腫れて痛い
- 皮膚が茶色くなっている
- 皮膚が湿疹でかゆい
- 皮膚に穴があき潰瘍になっている
下肢静脈瘤が起こる原因
足の血管には、血液を心臓に送るために重要な弁が付いています。血管内の弁は、血液の逆流を防ぐ機能があります。
静脈瘤は、この血管内の弁が壊れる事で足の血管内に血液が溜まってしまうことで血管が膨らみ、コブのようになります。

足の静脈には弁が付いており、逆流を防ぐ機能があります。

静脈の弁が正常に機能すると、血流は心臓に向かって戻る事無く進みます。

大きな静脈からも弁が壊れた静脈に血液が流れ込み、足の先に近い血管内に血液が溜まります。
下肢静脈瘤の症状
●足がだるい・痛い・重い、むくむ、痒い、寝ているときに足がつる。
●血管がボコボコ膨れている、血管が浮き出て見える。
●静脈の周囲が痛みを伴う炎症を起こす。
●皮膚が茶色に変色してくる。
●皮膚が湿疹でボロボロになり出血を起こす。
●皮膚に穴があき潰瘍になる。
静脈瘤の種類
伏在型静脈瘤

足の表面近くにある静脈のうち、幹となる太い血管が「伏在静脈」です。太ももの静脈の弁が壊れることで、膝から下の静脈がこぶのように拡張した状態を伏在静脈瘤といいます。
分枝型静脈瘤

伏在静脈より枝分かれした先の静脈が、こぶのように拡張した静脈瘤を分岐型静脈瘤と呼びます。比較的、膝から下の部分に見られます。
網目状静脈瘤

直径 2~3mm の、小さな静脈の拡張が網目のように拡張して皮膚の表面に近いので血液の色が青く透けて見えます。
太ももの外側から後面膝の裏側などに症状が出ることが多くなります。
クモの巣状静脈瘤

皮膚の表面(表皮)の下の、直径0.1~1.0mmの細い血管が拡張したものです。
盛り上がることは少なく、赤紫色に見えるます。
下肢静脈瘤になりやすい方
女性に多いです。加齢と共に多くなります。立ち仕事が多い(生活習慣)方。(調理師さん、美容師さん)
妊娠・出産・遺伝も関係すると言われています。
最新の治療の方法
切らずに治す、血管内焼灼術

切らずに治す、血管内焼灼術は保険診療で可能です。
当クリニックでは保険適用での治療を第一選択と考え、従来のストリッピング手術から最新のレーザー手術まで保険診療で行っております。
最新の血管内焼灼術
最新の保険適用レーザー ELVeS 1470 を導入しています。
下肢静脈瘤の治療に用いるレーザー機器にはいくつかの種類があり、保険診療と自費診療の2つの選択肢がありました。
今まで自費診療の範囲であった 波長1470ナノメーターのレーザー機器が本年5月より保険適用になりました。
この1470ナノメーターのELVeSレーザーを全周性照射ファイバー(Radial fiber)を用いて照射する最新治療は、従来のレーザー機器に比較して術後の痛みと皮下出血が格段に少ないことが特徴です。
保険適用でより楽にレーザー治療を受けられるようになりました。
下肢静脈瘤の治療方法
下肢静脈瘤の原因は静脈の弁が壊れしまうという説明にもあったように、この弁がこわれた血管を取り除く(使えないようにする)という治療方法が一般的になっております。
血管を抜き取る術式が一般的であった時代では、足に何カ所も傷を付けて血管を抜き取っておりました。
その後、血管を塞ぐ手法が様々研究され、近年では血管の中からレーザーなどで焼き固める(血管内焼灼術)ことで静脈を使えなくしてしまう治療方法が開発されました。
他にも、膝の下と太もものつけ根から血管を抜き出す術式も楽に血管を抜き取る手術として多くの方が選ばれています。

※図1 血管内焼灼術
弁がこわれた血管を塞ぐ(使えないようにする)という治療方法で、
レーザーやラジオ波など血管を焼き固めるという手術方法です。
最新の治療方法として様々なレーザー治療器が開発されています。
治療後も楽なレーザーから保険適用のレーザーまであります。
高額な自費治療も有りますが、保険の範囲でも十分な治療成果が得られます。

※図2 ストリッピング術
ストリッピング術は、血管を抜き取る方法です。
二カ所に小さな切開をして、特殊な器具で血管を抜き取ります。術後も楽な治療方法として多くの方が選ばれています。
日帰り手術という治療方法
当院では下肢静脈瘤の治療も日帰り手術で行っています。
従来は腰椎麻酔(下半身麻酔)をかけるため入院が必要でしたが、TLA麻酔という専用の麻酔を行うことで術後に帰宅していただく事が可能になりました。
また焼灼術と抜去術(ストリッピング手術)はそれぞれ長所が異なるため、個人個人に適切な治療方法を提案させていただきます。
進行度やほかの病気の合併によっては入院治療が必要な事がありますので、その場合は適切な病院をご紹介いたします。
また網の目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤は硬化療法という注射の治療で治すことが可能です。
外来で10分程の治療ですので、適応の方には詳しくご説明をしております。
手術や硬化療法の適応ではない方にも下肢静脈瘤の悪化予防のため弾性ストッキングを処方することが可能ですので、
慢性のむくみや頻回のこむらがえりに悩まれている方はお気軽にご相談ください。

医師紹介と下肢静脈瘤の実績

当院の院長、柳健(やなぎ けん)は日本外科学会外科専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医の認定を受けており、外科疾患における十分な知識と技術を習得しております。
日帰り手術全体の症例数も約8000件と豊富で、その経験から個々の方に適切な治療法を提案させて頂きます。
手術の流れ
東京デイサージェリークリニックの、下肢静脈瘤における日帰り手術は初診の検査から始まり、手術適用と診断されれば以下の流れで手術に進みます。


手術費用
下肢静脈瘤の治療(手術)に必要な費用をご案内します。
東京デイサージェリークリニックでは保険適用の手術を行っております。
下肢静脈瘤診察の費用 | ||
初診 | ||
健康保険 3割負担の場合 |
健康保険 2割負担の場合 |
健康保険 1割負担の場合 |
約2500円 | 約1700円 | 約900円 |
術前検査(手術が必要な場合) | ||
健康保険 3割負担の場合 |
健康保険 2割負担の場合 |
健康保険 1割負担の場合 |
約5000円 | 約4000円 | 約3000円 |
手術 | |
健康保険3割負担の方 | 健康保険1・2割負担の方 |
約48000円 | 約18000円 |
※術前検査として感染症の血液検査費用がかかる場合があります
術後の過ごし方と注意すること
下肢静脈瘤の術後はほぼ日常生活に戻れますが、いくつか注意が必要です。
手術の翌日からシャワーを浴びて頂く事ができます。入浴で湯船に浸かるのは1週間後からにして下さい。
デスクワークなど、脚に無理の掛からない程度の仕事は翌日から可能となります。
ジョギング・スポーツなどは、2週間程度は行わないで下さい。
下肢の筋力トレーニングは3週間以上は行わないで下さい。
立ち仕事をされている方は、はじめの1週間は立ち時間を短くするなどの注意が必要です。
また、食事の制限などは有りませんが、飲酒は3日程度控えて下さい。
不安な事や気になる事は、医師に確認して下さい。

下肢静脈瘤FAQ
下肢静脈瘤は手術後に再発することがありますか?
近年の根治術(焼灼術・ストリッピング手術)ではほとんど再発はありません。
血管を焼いたり引き抜いたりして大丈夫ですか?
下肢の静脈には無数のネットワークがあり、他の静脈(深部静脈)を通って血液が心臓に戻るため、血流が止まってしまう事はありません。
日帰りでは無く、一泊してから退院することは可能ですか?
近隣に提携ホテルをご用意しておりますので宿泊希望の方はご相談下さい。 当院は入院施設がありませんので、入院希望の方は適切な病院をご紹介しております。
手術以外の治療方法はありますか?
弾性ストッキングによる圧迫療法や注射による硬化療法などがありますので、個々の方に適切な治療法を提案いたします。
*手術適応の方は医療用弾性ストッキングおよび術前血液検査・心電図に別途ご費用が必要になります。